2018年09月14日

新作無料キャンペーンやってます

きょう14日夕方から、あさって16日夕方頃まで、新作「ヤルダバオートの聖域」が無料になっております。



今回は人食いグマが新潟の山村で大暴れするお話です。ちょっとミステリ仕立てなのはお約束というか、今思えばテーマの割にちょっとスケールが小さいというか、あれですね。やるんであれば冬の閉ざされた山村を舞台にして、ドロドロの人間模様と一緒に書いたら和製キングぽくて良かったかもな、と少し後悔しています。
その辺は今度は、クマではなく別のモチーフでやりたいです。粟島を舞台に半魚人が攻めてくるとか。
でも、まあ頑張ったし、あの時点でこの展開しか思いつかなかったし、そんなに悪くないと思いますし、ある意味で自分らしいなと思いました。意外とスタイリッシュな気もするし。

というわけで、専用端末だけでなくスマホやタブレットで読めるので是非是非。
うん、半魚人悪くないかも。
posted by ヤマダマコト at 21:50| Comment(0) | KDP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月13日

新作「ヤルダバオートの聖域」出ました

表題の通り新作「ヤルダバオートの聖域」をリリースしました。
内容は新潟の山村でクマが暴れ回るお話です。以上。あんまり肩肘張らずに猛獣パニック系のB級娯楽作品として暇つぶしに読んでもらえれば、と思います。

なんだかんだで9月に出ました。4月の宵闇天化のリリース後、ちょっと寄り道しながら、このタイミングで長編を出せるとは思いませんでしたわい。ボリュームは「テーブルの上のスカイラーク」と同じくらいです。私の長編では短めですが、それでも原稿用紙でいけば650枚くらいはあるんじゃないかと。
お値段も一緒で360円。こちらのリンクからどうぞ。



表紙は、「テーブルの上のスカイラーク」のRangerさんによるものです。実は春先のスカイラークのリニューアル直後からお願いしていました。かなりざっくりしたイメージと怪しげなプロットからここまで描きあげたのは凄いし、迷惑をかけちゃったなと思います。ただ、出来栄えは本当にすごい。緻密さに加えて、今回は迫力もあって、私もすごく気に入っています。
それと、表紙のキャラのデザインや花などRangerさんのアイデアによるもので、ここから小説にフィードバックしたりもしています。

加えて、このタイトルはセルパブ界のスーパーマルチなナイスガイ淡波亮作さんによるものです。ていうか、表紙の依頼時にはタイトルが未定だったんですね。で、私が三日三晩悩んでたところを瞬殺、みたいな。さすがとしか言いようがないっすわ。
淡波さんには、これまでに「山彦」の通常版はじめ色んなとこでデザイン面でお世話になってたりするんですが、今回は本当に助かりました。謝謝!
ちなみにアワナミー氏といえばこれでしょうか。



にしてもアレですね。セルフと言いながら、だんだん色々な人が関わってくることになって、なんか着々と事業規模がでかくなってきている気がしますね。まあ悪いことじゃないはず。

あと無料キャンペーンですが、あす14日金曜夕方から48時間の予定でいます。興味があったら是非是非。
posted by ヤマダマコト at 12:19| Comment(0) | KDP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月11日

勝手にKDP本レビュー★62 斎堂琴湖「舞台女優」

まあ、あれですわ。すごく面白かったです。
斎堂琴湖さんの「舞台女優」。これはKDP本の個人的オールタイムベストを選ぶとしたら、候補に上がりそうな作品です。
元々、斎堂さんの作品は、長編ミステリの「箱庭の花」がすごく面白くて、「月下迷夢」とかもなかなか良作だなあ、と思ってて、密かにチェックはしていたんですよね。どちらかというと長編が面白いイメージ。
んで、「箱庭の花」については学校を舞台にした先生が主人公のミステリだったんですが、とにかく、ストーリーの組み立て方が上手くて、「分かってる人だな」という印象をすごく受けたんですよ。キャラクターも個性的で、しかも掘り下げも良かった。

けれど、今回の「舞台女優」はもっとエエぞ。
「箱庭の花」は人間ドラマ重厚さとトリックのギャップが少しだけ気になったんですが、これは最初から最後までパーフェクトなストーリー。
内容は、15年前に引退した大女優・羽柴塔子を中心とした芸能界のある人間関係の中に、羽柴と奇妙な縁のある主人公、零細出版社の営業担当・梨本有理が巻き込まれていく物語。
突然、電車内で響く着信音から始まる完璧な導入から、読み進めていくと約5分おきに意外な展開が起きる感覚で、どんどん続きが気になって読んでしまうんですよ。テンポもよく自然な展開の中で、思いもよらないハプニングや予想の展開が次々出てきて、これが止まらない。すげー面白かった。
その辺りの技術がすごいんですが、さらにミステリとしても良くできていて、このノンストップな展開の中で、ごく自然にどんどん伏線やらミスリードを仕込んでいって、クライマックスに持っていくという。
この辺はもう読者の視線を読み切ってコントロールしているというか、うまく遊ばれてる感じがする。誰もが驚くような叙述トリックの大技かますのも良いですが、こういう細かい気配りで読ませる技術って、むしろ、すごく高度で難しいと思うんですよ。

エンタメはキャラさえ良ければ大体の失敗はごまかせるくらいキャラクターが重要なんですが、これも良い仕事なんですね。
魅力的なキャラクターでぐいぐい引っ張っていくタイプではなくて、どんどん感情移入させていくタイプ。主人公の有理はもちろん、羽柴塔子も、その運転手の小原も石田課長もみんな良いキャラ。奇抜な設定はほとんどないんですが、劇中で丁寧に掘り下げて人間臭さも感じさせて、生き生きしてくるんですよ。心理描写も巧みで、これはNHKでも民放でも連続ドラマにしたら視聴率とれそうな気がするんだけど。
ちなみに、私の脳内では、なぜか石田課長は森本レオ、小原氏はブルゾンちえみのバックの兄ちゃんの派手な方に変換されていました。どうでもいいけど。
人物以外の描写も巧みで、劇団周辺を含む芸能界の雰囲気とか、良くできてると思うし、有理の仕事ぶりもリアル。そういった地に足が着いた描写があるからこそ、大胆なギミックも生きてくるんだなと。締めくくりも見事。舞台劇の脚本みたいに小粋で、単なる暗喩もこれだけ綺麗に決めるとカッコいいな、と。

これは嫉妬もないですよね。自作と比べてちょっと凹むけど。だってみんな良いんだもん。降参っていう感じ。
これはもうプロットの時点で相当な精度でストーリー組んでるわけで、途中でズレることも許されない。あるいは後から丁寧に調整してるんだろうか。いずれにせよ、さり気ないんだけどすごく手間のかかる高度なことをやってるんですよ。私には無理。
強いて文句を言うなら、「表紙がおとなしすぎねえか?」くらい。これはもっと押しが強くても良いと思う。ていうか、ランキング見てても、もっと売れていなきゃいけないでしょうよ。

「とはいえ、ただの人が死ぬだけのミステリなんでしょ?地味じゃね?」っていう人もいるかもしれない。でも、普通の醤油ラーメンだって、店によって味が全然違うし、そのシンプルな一杯に込められた思いや仕事量も違うっしょ。それが評価に繋がるでしょ。だから「舞台女優」をただのミステリだと思う人は回れ右でよろし。違いの分かる錦織健みたいな男になって出直しといで、と言いたい。ていうか読めば誰だって分かるし楽しめると思うんですけどね。斎堂さんはすごく気配りしてるし。



そもそも2014年リリースですからね。私もずっとスルーしてたのは不覚だし、今更こんなん書いているのも逆に失礼な気さえする。これだけの作品ですし。
私もこの3年半でそれなりにKDP本読んでますが、まだまだ読んでない作品はたくさんあるし、きっとこういう埋もれた傑作もたくさんあるんでしょうね。業が深いというかなんというか。
なんで、まあ、ぜひ読んで欲しいです。たった300円だぜ。これで。
posted by ヤマダマコト at 11:45| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする