2020年03月11日

水谷広「セーブ→ロード→」が面白かった

久しぶりの読書感想文。なんつーかKDP本ですね。水谷広さんの「セーブ→ロード→」。



いじめられっ子の中学生がひょんなことから見つけたPCゲームが、自分の人生をRPG的にセーブ&ロードできちゃうという優れもの。そいつをタイムリープ的に駆使していく中で、とある少女に出会って、みたいな物語。
いわゆる「世にも不思議なアメージングストーリー」的な不条理系のモダンホラーっぽいんですが、すごく良くできていて面白かった。この作者さんはプロフィール見るに短編やSSの方が得意そうで、実際に文章の軽さやアイデアは短編向けなのかな、と思うんですが、喧嘩のシーンの繰り返しとか「間」や「余韻」もしっかりとれていて良かったです。
KDPも探せばまだまだ面白い人がいるなあ、と思いました。短編の「死にたいママと死にたいあたし」も良かった。なんていうか、初期の日本ホラー小説大賞受賞作っぽい味わいがあるんですよね。
こういう繰り返す系のネタって、どうしても単調になりがちなんですが、ちゃんと物語に動きを持たせられているので飽きることもなくて、よく考えてるんですよ、すごく。

でも、セーブ&ロードが起きたタイミングをセーブデータと共にもっと分かりやすくした方がスリリングになりそうな気がした。特に終盤の絶体絶命なところ。
あと、これは私の好みですが、最初のロードの瞬間とかもっと心理描写が濃い方が良かったかなあ、とも思いました。
完全に私の趣味ですけど。
というわけで、興味のある方は是非是非。
posted by ヤマダマコト at 12:31| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする