2015年02月15日

慇懃無礼なヤマダ氏、何も考えずに坂東眞砂子の伝奇ホラーを振り返る1★蟲

焼きそばもひと段落。
本当は自作に関連した地域ネタを中心にしたいんですが、天気が悪い。もともと3月公開予定を前倒ししたので、やむを得ない部分もありますが。
で、微妙にネタがないので、やっぱり書評かなと。今回の無料キャンペーンの結果も一応、あとで分析してみます。私もいろんなブログなどで情報収集してから参戦したんで、次の方のために少しでも新しい情報は残しておきたいですもん。

KDP本については、もうちょっと後回しにして、年明けから個人的に再燃していた故人の坂東眞砂子ブームがありまして。
こっちを語りたかったりするわけです。
ホラー好きなんで、扱いたいのは一般文芸に転身後の比較的初期の伝奇ホラー4部作。新潟県民的には「山妣」を扱うべきなんでしょうが、あっちはメジャー過ぎる気が
どうしても坂東眞砂子といえば猫殺しとか、あの強烈な存在感とか、なんか、そっち方面で語られがちですが、なんだかんだで日本の90年代ホラー復興において重要な人だったようにも思うのです。
鈴木光司の「リング」がヒットして、日本独自のモダンホラーが花開き、パラサイトイヴみたいなバイオホラーまで出てきた、そうした新しいホラーの潮流の中で、地域の土着の風習を題材にした伝奇ホラーを現代に蘇らせた作家と言えるのかな、と思っています。
動物虐待はドン引きですが、作家の人間性と作品の質は別物のように思うわけです。

image.jpg

というわけで、最初は「蟲」。
ホラー大賞の佳作でしたっけ。たしか入賞作品該当なしの年。たしかに、この作品は佳作の出来だなという印象。伝奇ホラー3部作のあとに発表されましたが、執筆はこれが最初かと思います。
でも、常世虫の設定とか女性視点のねっとりした描写とか、すごく坂東さんっぽい。
内容は、旦那が古代の虫に取り憑かれて、奥さん発狂という感じ。すげぇ大雑把に言えば。
で、他3作と比較して、なにが違うかといえば田舎成分弱めというか土着のドロドロした因習が少ないんですよ。虫送りくらい?

加えてやっぱり思うのはキングの影響。現代を舞台にして超常的な要素を持ち込むやりかたはよく研究してるなと思います。逆に民俗学的な部分が他作品より薄いおかげで、そのモダンホラーっぽさが色濃く出ている感じ。おばあちゃんと虫送りのくだりなんかキング作品にありそうだし。
その一方で、今一つ盛り上がらない展開やビジュアル的なインパクトのなさは、新人賞応募作として手探りで書いた感が伝わるし、佳作というのはすごく分かる。
うめーとは思うけど、オススメするかどうかは微妙なレベルですもん。

posted by ヤマダマコト at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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