2015年02月17日

慇懃無礼なヤマダ氏、何も考えずに坂東眞砂子の伝奇ホラーを振り返る2★死国

新潟市は曇りです。このまま3月まで雪が降らないといいんですがねぇ。
というわけで、死国ですよ。

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児童文学作家だった坂東さんを一躍、伝奇ホラー作家にした作品。
同時に映画のあまりのダメっぷりがね。栗山千明の鯖折りでクライマックスという壮絶なバカ映画と化したアレです。原作読む限り、すごく絵になりそうなシーンが一杯あったのに、なんでここまで酷いのかなぁ、と。
あと、死者の復活という一点において「黄泉帰り」と混同する人が私の周りにも多いです。
あっちはファンタジーでこっちはホラー。だいぶ毛色が違う。演じている人も違うし。

映画はひどかったんですが、原作はよく書けてるんです。
幼馴染だった少女の霊の復活をメインに男女の三角関係や、友情の裏表といったドロドロした坂東節が炸裂した名作です。
ぶっちゃけ伝奇部分はスケールがでかくて、全然リアルじゃないんですが、
ディテールがよく出来ているおかげで、すごくリアリティがある。
この辺はキングの手法を日本の小説にうまく落とし込めていると思います。
カットバックで入る、ある男性が冷えた弁当の揚げ物を捨てるシーンとか、妙にリアル。
荒唐無稽なフィクションにいかに説得力を持たせられるか、という点で勉強になります。
逆に山道なんかの自然描写は、あんまり得意じゃなかったっぽい印象もあります。

ただ、何よりこの作品で際立ったのは、四国の片田舎の雰囲気。田舎の青年たちや年寄りの雰囲気。
山間の国道、地域の行事や他所者に向ける視点の生々しさは、圧巻。

前半のスローテンポな展開は、それだけでも楽しめる感じ。
後半はそうでもないんですけどね。
この作品の評価が割れるとしたら、そこでしょう。Jホラーブームから入ってきたホラー好きは、ダルいと感じる人も多いようです。若い子向きじゃないんだろうなー。




あと個人的にタイトルの「死国」はセンスがないと思う。
代わりは思いつかないけど、なんか好きになれないです。
ラベル:伝奇 ホラー
posted by ヤマダマコト at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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