2015年03月24日

伊坂幸太郎ってどうよ1★オーデュボンの祈り

とりあえず伊坂幸太郎作品って、ぶっちゃけ好きだし面白いんだけど、なぜだか手放しでは褒められなんですよ、個人的に。
なんというかセンスというか感覚が違うんですよね。
ただ、作品として、どれも出来は認めなきゃだし、人気が出たのも分かる。
とくに文章の軽さとか全体に漂うオサレ感とかね。
何が苦手なのか考えてみたんですが、多分なんだけど、「キザのこと言ってる割りにたいしたこと言ってないじゃん」みたいなのがダメなんじゃないかなと。

今回のデビュー作「オーデュボンの祈り」もカオス理論とか、あの時点でも「今更かよ」みたいな。
経済学やってる学生どころかSFファンなら周知のネタをさも鬼の首とったかのように書かれてもね、っていう醒めた感があったのは事実です。
でも読んだときには驚きました。
たしか吉祥寺の井の頭公園前のカフェ・ド・クリエでハードカバー読んでたんですよ。スタバはまだ日本上陸間も無くで混んでたなぁ。

かなりインパクトはありました。
喋るカカシとか宮城沖の謎の島とか。なんなんだコレ?っていう。にもかかわらずバタフライ効果的にピタッと伏線が埋まっていく感じ。すごい作家さんが出てきたと思うと同時に、最後のキザなオチはちょっと受け付けられなかったんですよ。それを真顔でやるなよ的な。
セリフ回しとか、すでに伊坂作品の型は出来てるんですよね。
たしかに面白いんですよ。舞台となる島も登場人物も魅力的で、とくに静かで不思議な島の雰囲気には異様に惹かれるし、そこに喋るカカシとか出てくるわけじゃないですか。つまらないわけがない。
あと、個人的に面白かったのはサブプロットになるべき「島にないもの」が最後にはメインと主従が逆転してしまうこと。読者をコンフューズさせるための要素をうまく着地させたなと思いました。俯瞰で見るとミステリーとして、おや、と思ってしまうんですが、これはこれでありだと思いました。
城山のサスペンスのくだりも良いトッピング。ちょいサスペンスの結末が唐突過ぎましたけど。
あと、この作品のテンポって伊坂作品らしくないというか、普通なんですよね。そこが興味深い。



でも、やっぱりリョコウバトとか面白いけど、なんだかなぁっていう。
posted by ヤマダマコト at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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