2015年03月27日

伊坂幸太郎ってどうよ3★魔王

きょうは天気がいいので魔王でどうでしょう。
どっちかというと中学の音楽の授業の「かーぜーのようにーうーまーをかりー」あっちの曲のイメージですよね魔王といえば。
あとはゾーマ。光の玉を忘れて涙目になるヤツ

それはそうとして、この魔王。
中編2作からなっていて、それぞれ、兄と弟が台頭するファシズムの権化たる若き政治家、犬養にささやかな超能力で対抗する物語。
多分なんですけど、スティーヴン・キングの傑作デッドゾーンの影響が相当強いですよね。とくに表題作の魔王は。
ファシズムの台頭についてはキングより分かりやすく、また日本向けにうまく落とし込んだ印象ですが、やっぱり、どこかオサレで軽い。
ラストも同じ超能力で失脚を狙うのは一緒で、その手段も上手いんですが、キングと違ってモヤモヤするんです。
なんていうか、なぜこれを中編にしたのか。だったら連作にしろよと。このテーマで伊坂が書くなら、つまらないわけがないんだから、こう1500枚の長編大作でも良かったでしょうに。なんかもったいないですよ。

でも続編というか魔王の後の世界を舞台にしたモダンタイムスがありますが、合わせて読むと一貫したテーマがあることはよく分かるんですよね。
要するに、ファシズム台頭はあくまでシステム化された社会のよくわからんような総意が求めたものであり、犬養はその仕組みに気づき利用したのだけれど、あくまで社会の依り代に過ぎないという。そのシステム化された社会こそが怪物なんでしょう。
デッドゾーンは予知能力のある主人公が、将来、世界に混沌をもたらす大統領候補の暗殺に失敗するんですが、それがきっかけに市民の支持率が急落し失脚します。
その辺が日本とアメリカの民主主義への考え方の違いというか、日本人の社会に対する特異性が垣間見えて興味深いです。



それにしても、モダンタイムスのネーミングもチャップリンから堂々と拾ってくるセンスが伊坂らしいというか。

posted by ヤマダマコト at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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