2015年05月02日

ヤマダ氏、超能力小説を読み漁る5★龍は眠る

あああ。相変わらず忙しくて死にそうですが、まあしゃーないっすわ。

きょうは宮部みゆき「龍は眠る」
これはドラマがまずまず面白かったですよね。同時期だったと思うんですがテロリストのパラレルのドラマがひどくてねえ。
あの頃を思い出します。

内容は主人公の雑誌記者が2人の超能力者と出会い、なんか事件が解決する話。典型的な国産ミステリにガチで超能力を盛り込んで成立させた意欲作。
90年代のミステリにありがちな俯瞰的に眺めたら全容がよくわからない構成ではありますが、超能力の扱い方は凄まじく上手いです。ちゃんとリアルなミステリに落とし込まれている感じ。この頃の宮部さんは輝いてました。
キングを彷彿とさせる重厚な描写と程よく感傷的な表現で全編を通じて緊張感が途切れていないのがいいです。

超能力についてはファイアスターター的な組み合わせですがナイトヘッドとかなり重なります。ネガティブすぎずポジティブすぎず、世の中には不思議な人がいる、でまとめ、あくまでミステリの範疇に踏みとどまったのがいい感じ。
あの頃は、ミステリ界隈で異端とされていましたが、今ではそうでもないですからね。でも、本作と同水準に達した作品はそんなないと思います。
多分、導入部の「超能力は存在するか」というリドルを経由したことで、地に足のついた作品になったのだと思います。

あと、ミステリとして見ると、サブプロットの入れ方やミスリードの仕掛け方とか、すごいシンプルだけど的確というか、かなりお手本になります。キャラクター造形見事。



でも、改めて読み返して思ったのが、物語全体を通して、前半と後半でのトーンの差の大きさというかね。些細な問題でしょうけど。
posted by ヤマダマコト at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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