2015年08月25日

宮部みゆき「楽園」読んだよ

というわけで、仕事の合間に宮部みゆき「楽園」読了。
もともと山彦の改稿時になんとなく超能力関係の小説を収集したんですが、そのときに積んだままになっていたという。
「模倣犯」のスピンアウトっていうのがハードル高かったし。模倣犯面白かったですし、すごい作品だけどスピンアウトってもともと苦手なんです。映画でもマンガでも。
ハックルベリー・フィンくらいですかね、好きなの。

で内容は、超能力を持っていたと思われる亡くなった少年の描いた絵を追いかけていくうちに、実は、それが過去ではなく現在進行形の事件だと気づく物語。構造としては「リング」にちょっと似てます。
超能力の有無を追跡するくだりとか。
この筋運びは難易度高いし手間がかかるだろうな。私なら思いついても避けそう。
そして、相変わらず、超能力の描写やスタンスの取り方は絶妙だと思います。
加えて、いくつもの親子の対比などすごく濃厚で的確。ラストも私は好きです。

難点は超能力が導入とオチ以外はあまり役に立っていないような気がすること。それがなければ成り立たないですけど、なくても問題ないんじゃないかな、と。
あと断章はミスリードとしては上手く機能しているけれど、もうちょっと凝ったことをして欲しかった。宮部さんの自力はこんなもんじゃないでしょう。断章の着地点はあまりに芸がなかった。
あおぞら会も悪くないけど、ちょっと取って付けたような感じがする。
あとはキャラクターの心情変化がちょっと急過ぎたような。ここは好みかもしれません。

とはいえ、全体を通して、大まかな流れはすごく練ってあるしキャラ造形はさすがとしか言いようがないし、スピンオフだけど模倣犯読まなくてもいけます。



読んだあとの方が絶対に面白いけど、このブログ読むような好事家は既読な予感。売れましたしね。
posted by ヤマダマコト at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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