2015年11月13日

勝手にKDP本レビュー★18夏居暑イディオット改訂版

夏居暑さんのイディオット改訂版を読了。
ストーリーとしては、記憶のない男、波多野が謎の男2人組に命を狙われるというシンプルなもの。なぜか波多野のことを知ってるガールフレンドがヒロイン。
時間が飛んだり、巻き戻ったり、さらにあえて読者をコンフューズさせる演出が序盤に仕込まれていたり、かなり凝ったかたちで伏線が盛り込まれていたり、退屈させない物語でした。意外な展開で見せ方は面白いですが、そこまで捻くれたことはやってないです。
そういえば最近、似たような設定のKDP本を、とか迂闊なことを言うとネタバレになってしまうデリケートな作品でもあります。

夏居さんといえば、以前もPS03をレビューさせていただきましたが、多分、こっちの作風の方が得意な気がします。シンプルですが、終始緊張感を孕んだ文章で一気に駆け抜けていく感じが良い。
ソツのない設定やクールな描写は、伊坂幸太郎的な趣きがあります。このネタならインパクト狙いで怪獣や宇宙人を出してもいいところを、あえてスタイリッシュに見せるところも、すごくカッコいいっす。とくに「丹波県」は見事。牛野さんのターンワールドっぽけど。
そういう意味で、エンタメ性ではわかりやすくユニークなPS03に軍配ですが、完成度は絶対にこっち。

ただ、最序盤でもっとインパクトが欲しかったですよね。割とありがちな感じで、正直、夏居さんの作品でなければ、この時点でテンション下がり気味だったかも。
あと、PS03のときも、もっと悪ノリして欲しかったみたいな感想を書いたと思うんですが、今回もこの設定なら、あえて、もっとドラマティックにした方が面白い気がしました。むしろ、ネタ的に本意ではない可能性もありますけど。
とくに、ラストの波多野が選択する場面。判断や感情の動きは決して不自然ではないですが、もっと葛藤させても良かったし、前段でさらにエピソードを重ねておけば、もっと女性ファン歓喜の作品になった予感。


なんだか凄く90年代的な雰囲気で面白いです。角川ホラー文庫とか好きな人向けかも。
ラベル:ミステリ KDP Kindle
posted by ヤマダマコト at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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