2016年05月08日

勝手にKDP本レビュー★33晴丸「ひめとり!」

久しぶりのブログ更新です。
割とプライベートが忙しい上に新作のプロットで難航してたりで、ブログまで頭が回らなかったのです。

プロット書くときは色々な本を読みます。資料的なものから、自作とかぶりそうな商業出版本まで。今回も結構読んでましたが、その合間に息抜きとしてお世話になったのが晴丸さんの「ひめとり!」。
たしか、私が山彦の統合版を出し終えたころにリリースされたんだったと記憶しています。鬼やら妖怪やら印象的でポチった記憶が。お盆頃だったかな。



本書は非常に良質なライトノベル。ちゃんと挿絵も入っているし。
ただ、問題は私がライトノベルについては門外漢だという点でしょうか。ヤングアダルトなら色々突っ込めるんですが、ラノベ作法とかてんでダメ。ミステリとかホラーばっかり読んでるし。とはいえ、今回、ラノベっぽいテイストの小説を書くにあたりなんか読んでおかないとな、っていう。
ストーリーは高校一年生になる幸八(ゆきや)という少年のもとに妖怪のお姫様、鬼族の美少女ミナが押しかけてくる展開。ここら辺のテンポはめっさ早いです。とりあえず少年少女を同棲させたいんかい!っていう感じ。
そういえば杉浦絵里衣さんの「東京フラッパーガール」で「デレるのはえぇ」と感想を書きましたが同じ印象。杉浦さんのときは歪みねえ筋金入りのフェティシズムだと思ってましたが、実は今時のラノベって、これくらいテンポよく進めないとあかんジャンルなんでしょうか。そういえば砂鐘大河さんの「悪兄!!」も導入は素っ気ないほど早かったなぁ。

このノンストップでサクサク進む王道的展開の上に、おのろけがあって、微エロがあって、アクションがあって全方位にオススメできる内容。とにかく手堅く、不要なものと必要なものをしっかり分けてロジカルにストーリーを組んだ印象があります。
出てくる妖怪も、既存の妖怪のイメージをうまく使って過剰な描写を抑えつつ、ちゃんと個性的に魅力的に仕上げているし、全体を通じて世界観も魅力的。
ちなみに個人的に気に入ったのはミナの角をなでなでするシーン。多分、あれが書きたかったんだろうなと。もっと変態的に掘り下げても面白いのになーと思いましたが、このくらいにしとかないとアレなんでしょう、きっと。でも作者の情念は大いに感じました。
本音を言えば、妖怪のデザインや設定、夜行のお城とかもっと変なもの、ユニークなものが欲しかったんですが、多分、この本の読者のニーズを汲み上げると、そこに注力すべきではないという判断なんだろうな、と。そこら辺はアニメやマンガの「お約束」で割り切ってるんでしょう。あくまでテーマとしては幻想的な妖怪絵巻ではなく鬼娘、ということなんでしょうね。

とはいえ、上手いし面白いし、もっとゆったりどっぷり楽しみたかった。とくに前半の幸八とミナの交流はもっと多くてもいいんじゃないかと思いました。その方が伏線を仕込めるし、より感情移入できるのにな、と。
もちろんテンポやバランスは変わりますが、この作者の筆力なら余裕で読ませるクオリティーに仕上げてくるはず。ちょっと読み足りないので、ぜひ、続編を書いて欲しいです。
posted by ヤマダマコト at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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