2016年11月24日

勝手にKDP本レビュー★39くみた柑「七月、きみのとなりに」

久しぶりのKDP本レビューは、くみた柑さんの「七月、きみのとなりに」。取材待ちの寒空の下で季節はずれの七夕ラブストーリーをチョイスするあたりがまた、あれっすな。
というか、かなり前にゲットしたんですが、忙しくて手をつけてなかったんであります。
ちなみに私は健全な女子ではなくロクな青春を送っていない卑屈なおっさんなので、かなりひねくれた感想になるかと思います。

ストーリーは高校生を中心にしたラブストーリーでして、佳織と未侑の二人の女の子と、それぞれに思いを寄せる、あるいは寄せられるイケてる男たちが出てくる物語。他にもいい味出してるキャラが何人か。
みんなピュアで全然ドロドロしてないけれど、シチュエーションは多彩でよく詰め込んだなと感心しました。そこらへんは読んでからのお楽しみ。
私はその昔、ケータイ小説で中高生の女の子の小説を読む機会があり、感想を求められたりしたんだけど、全然クオリティが違いますよね。文章はもちろんですが、登場人物の繋がりとか面白かった。実はストーリーも凝っている。当時のアレと同列で論じてはいけない作品だなと。
んで恋愛小説としてみた場合、キモになる心理描写も丁寧だし、変にひねった表現もなくて、素直に共感できる感じ。みんな途方もなく一途な人ばっかりだし。
〆もすごく綺麗で、佳織の最後らへんはベタだけど勢いでもっていった感がすごく好き。基本的には、シンプルでストレートな展開だけど、佳織と未侑の母親の会話とか随所に間を取って進行するのもいい感じ。
多分、女子はこういうストーリー好きだろうなーと。どちらかというと中学くらいの女の子が読むとすごいハマるんではないでしょうか。
もう、すごいピュア。おっさんの居場所がないくらいピュア。

個人的には、もしも私が書くとしたら、もう少しテンポを遅くして、余韻や描写、間を取るシーンを増やすと思うんですが、実際に読んでみると、これも高校生の物語らしくていいのかな、と思ったり。あの年頃って、季節感とかより、むしろ喜怒哀楽と欲望の赴くままに突っ走るものだし、かえって一途で盲目な感じが出ているかもしれない。でも、麻生センセのパートだけテンポを変えたりしたらさらに面白い予感がしました。
あと、タイトルもそうだけど七夕祭りがモチーフっぽいので、もっとクドいくらい前面に出しても良かったかも。恋愛小説の場合、そういう個性はすごく大事だし、絵的に綺麗だと思うんですよね。その辺は、くみたさん自身が絵を描ける人なんで、多分、私なんかより分かってるだろうし、分かった上での作品なんでしょうけど。



というか視点が章ごとに変わり、さらに回想で時間軸が飛びまくる割に不思議とリーダビリティが保持されてるのが何気に凄いなと思いました。
posted by ヤマダマコト at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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