2016年12月22日

勝手にKDP本レビュー★42弐杏「文中の( )にあてはまる文字を入れなさい」

というわけで、弐杏さんの「文中の( )にあてはまる文字を入れなさい」を読了。
勝手に短編集かなんかだと思ってたら、いわゆる中編的なボリュームでした。
かなり強烈っすわ。とりあえずハイテンションで、小ネタのはさみ方や1人ボケツッコミは、かの折羽ル子さんの小説っぽいなと思いました。どっちもシュールなキャラと展開で読者をコンフューズさせていく感じとか。
ただ、向こうは昭和の特撮的な語り口から淡々と時に落語的に狂気を仕込んでくるんですが、こっちはピュアというか、若い女の子的なポップで健全なテイストだなーと。
とりあえず、そのテンションで突っ走るんですが、テンポがめまぐるしく変わって、その時に微妙にテンションが上下するのが印象的。シュールさは変わらないんですけどね。

ストーリーについては2人の登場人物の視点で進むんですが、ちゃんとテンションも切り替えてるあたりがしたたかで計算づくな感じがして、作者の本性が垣間見えるというかなんというか。
展開もうまく捻ってあって、少年のパートがとくに面白い展開だと思いました。
2人のストーリーのクロスとエピローグが見どころなんでしょうけど、なんだか伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」を思い出しました。ああ、なるほどな、っていう。あと『ショウセツカ』とか恒川光太郎の本に出てきそうな感じ。傍若無人なようでキャラとかフレーズとか、すんげえ洗練されてる印象がありますね。
なんとなく、こういうのが人気出るんだろうな、っていうのは分かる気がする。

個人的に「ボーイミーツガーらない」のは面白いんですが、だとしたら代わりになる盛り上がりが欲しかったなーと思いました。キモなのは分かるんですが、こう「いいの?マジで?」っていう印象が。ていうかエピローグの最後までハイテンションで突っ走っていい気もする。割と冷静なんですよね。



とはいえ、KDP本を始めて読む人のオススメリストみたいなものがあるとしたら、とりあえず入れておくような感じ。
ラベル:Kindle KDP 書評
posted by ヤマダマコト at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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