2017年02月24日

勝手にKDP本レビュー★46牛野小雪「ブラッド・エグゼキューション」

牛野さんの「ブラッド・エグゼキューション」を読了。なんだか聖闘士の必殺技っぽいネーミングですが、そんなことはなかった。

リストカットがやめられない女子高生が学校生活における人間関係でいろいろあって、っていう感じ。その傷を隠す「smile」のリストバンドがキーアイテムになっているという。

最大の問題は、私事ですがリストカットが苦手なんですね。腕から血が出るのが苦手で、注射や採血、血圧測定を想像しただけで意識が飛ぶほどの軟弱者なので、そのシーンは寝ながらでも読めなかった。

とはいえ、そこさえ気にしなければ、なかなか興味深い作品でした。いわゆるスクールカースト+リストカットものです。主人公のアキの人間関係の変化が、リストカットにリンクしていく様がなんともね。
文学におけるスクールカーストといえば、私的にはキングの処女作「キャリー」が一番印象的で、SF・モダンホラーの金字塔でありながら、プロムがらみのアレとか当時のアメリカのスクールカーストが生々しくて凄かった。国内だと朝井リョウさんの新人賞受賞作のあの桐島的なヤツが印象的。
特に、朝井さんのアレ以降は、スクールカーストは小説の定番というか、それそのものをテーマにするのは、すごく難しくなった気がします。ていうかセルパブで藤崎のキミコロとか、ぱっといくつか挙げられるし。

アキのひたすら明るい語りで進むのが、この作品の魅力だと思うんです。友人であるサキとの関わり方など、ヘビーな部分はしっかりヘビーになるようにテンションをコントロールできてのはさすがというか。一見、軽いだけのように見えてそうじゃない。



個人的に気になるのは、ナカノさんの役回りがもったいなかったな、という。描写のための小道具にしておくのは惜しい気がしました。だったら、一層のこと学校と家との往復だけでストーリーを展開させた方が閉塞感というか息苦しさが感じられるような。
ラベル:KDP Kindle 青春
posted by ヤマダマコト at 18:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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