2019年03月12日

竹中由浩さんの「フィッシングライター陽子」感想

気まぐれでKDP本レビュー。本職のフィッシングライターの竹中由浩さんの書いた「フィッシングライター陽子」ですね。竹中さんはリールをテーマにしたエッセイやら色々KDPでリリースする中で、何気に小説も面白いんですよ。「ユキ」、「アキ」とか。もちろん私が釣り好きなせいもあるけれど、物語としても出来がいい。
にもかかわらず、このあいだの「このセルパブ」でもあんまり目立たなかった。しれっと投票したんですけどね。やっぱり文学青年に釣り好きは少ないのでしょうか。
作品の面白さももちろん、こういうワンテーマで強い作家ってすごく魅力的だと思うんですけどね。



本作は短編連作で、フリーのフィッシングライターである小久保陽子さんが、釣り人との交流を通して釣りそのものの魅力に加え、昨今の釣りや河川を巡る社会問題を取り上げていく物語。なんつーか「美味しんぼ」方式?
全部で5話なんですけど、バス釣りの是非から果ては政府の公共事業に対する問題など、何かを声高に叫ぶわけでもなく、陽子とその周囲の人間たちのドラマの中で淡々と描いていくんです。5話全体を通して物語もしっかり動いていくんですよ。問題提起だけでなく純粋にストーリーとして良い感じ。
さすがに本職だけあって読み応えもあるし楽しい。もう少し陽子が物語を通じて変化していくいうなシチュエーションも見たかったけど、今後もシリーズ展開するなら、これはこれで良いのかな、とも思いました。

竹中さんの作品のもう一つの魅力が軽い読み口なんですよね。どうしても気取った言い回しを使いがちなジャンルなんですが、すごく読みやすい。普段、ライトノベルメインの人もすっと入れる軽さは良いと思います。この軽さと、独特の小ネタのはさみ方が作者の味というか、世代とか個人差はありそうだけど、私はアリだと思う。出てくるタレント名の半分は理解できなかったけど。あと、マンガの原作にも良さそうだな、と。ああ、でもハードボイルド釣り小説とかも読んでみたいかもしれない。


あと余談ですが、竹中さんがツイッターにアップする釣果を見るとそわそわする。私は渓流釣りに関しては、あんまりやったことはないんだけど、山に入るのは好きだし、仕事で山奥に行くと、どうしても沢を覗きこんでしまう。
もう少し時間があれば出かけるのに。
posted by ヤマダマコト at 09:53| Comment(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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